このページでは、ABMツールがコンサル業界に適している理由のほか、導入メリットやシステム選定のコツ、そして導入事例などを紹介しています。
コンサルティング業界は市場が拡大を続けている業界のひとつであるため、将来的な見通しは決して暗くはありません。ただし、企業として勝ち残っていくためには、コンサル業界特有の課題をふまえて営業活動やマーケティングを行う必要があります。
主な課題として挙げられるのが、市場環境の競争激化です。クライアント企業は特定のファームと継続契約する傾向があり、新規顧客獲得の難しさが増しています。
そして、コンサルの難易度自体が上がっていることも、重要な課題です。既存の戦略フレームワークが一般化したことで、企業ごとの複雑な課題に対応する、より専門性の高い提案が求められるようになりました。さらに、DX推進などの需要増に伴い、専門スキルを持つ優秀なコンサルタントの確保が難しくなっており、人材獲得競争も課題となっています。
コンサルティング業務は、特定の業界や企業規模、あるいは特定の経営課題を持つ企業を対象とすることが一般的です。また、契約単価が高額で、意思決定プロセスが複雑なエンタープライズ企業が主な対象となります。
ABMツールは、こうした特定の大口顧客の情報を深く分析し、関係部署と連携してアプローチするために設計されており、コンサル業界の営業特性と合致しやすい特徴があります。
営業およびマーケティングのリソースを、受注確度やLTV(顧客生涯価値)が高いと見込まれる特定のターゲット企業に集中でき、活動の効率化や投資対効果(ROI)の向上が可能です。
ツールを通じて顧客データを一元管理・分析し、営業部門とマーケティング部門が共通の認識を持つことが容易になります。その結果、クライアントが抱える個別の複雑な課題に対し、一貫性のあるパーソナライズされた提案活動を展開しやすくなる点はメリットと言えるでしょう。
既存のCRMやMAツールと、円滑にデータ連携できるかチェックしましょう。次に、ターゲット企業の詳細な情報を収集・分析できる機能が重要です。企業の動向や組織構造、キーパーソンを特定し、どのような課題を抱えているかを把握できる機能が求められます。
実行したアプローチの効果を測定し、PDCAサイクルを回して次の施策を改善していける分析機能も選定のポイントです。
レガシー産業や金融のDXなどに対応しているITコンサルによる導入事例です。アプローチを強化したい企業の優先順位における認識が、マーケティングとインサイドセールスとの間でずれていました。そのため、各企業に対するアプローチ方法を判断する際に、その都度確認作業が必要になり、業務効率が低下するという課題に直面していました。
そのような状況を改善するため、ABMツールを導入することに。その結果、ターゲット企業の明確化が可能になり、業務効率だけでなく、施策の精度や商談の質などの向上も実現しました。今後はさらに、業種やIR情報、組織図などをベースに「仮説型のヒアリング」を実施するなどして、新たなABM展開を試みたいと考えています。
顧客の新規商談獲得のサポートを行っているコンサル企業による導入事例です。精度の高いリスト作成に膨大な工数がかかっていた点や、メンバーによって商談獲得率にばらつきがある点が課題でした。また、IPOを見据えた新規ターゲットセグメントの開拓も急務でした。
そこで、タイムリーな企業情報を得ることができ、また大規模な企業データベースでもあるABMツールを導入。ツールのデータをもとに、新規受注につながるよう商談を効率的に進めたいと考えています。広範な企業情報を活用し、新規ターゲットのセグメントを見つけ、事業拡大も行っていく方針です。
企業の営業部門が抱える課題のサポートを行っているコンサルによる、ABMツールの導入事例です。以前からツールを利用していましたが、情報が古くなっており毎回精査する必要がありました。業務効率を向上させる目的で、新たに別のツールを導入することになりました。
新ツールに移行する際、業務負担が重くなることもなく、また受注件数も維持できました。使い勝手のよい設計デザインであること、カスタマーサポートが充実していることが、スムーズな移行を可能にした要因です。今後は、さらに深く使いこなし、理想的な営業スキームを構築していきたいと考えています。
ABMツールと一口に言っても、その活用方法は営業部門とマーケティング部門とで異なります。
ここでは、インバウンド営業・アウトバウンド営業それぞれの特性に応じて、アプローチ可能なフェーズや手法に違いのあるツールをご紹介いたします。ツール選びの参考にしてください。