ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)を効率的に進める上で欠かせないツールですが、機能ごとに製品が分かれていると管理が大変です。この記事では、ABMに必要な複数の機能を一つに集約した「統合プラットフォーム型」ツールについて解説します。特徴や選び方を理解し、自社のABM戦略を加速させる最適な一歩を見つけましょう。
統合プラットフォーム型ABMツールとは、ターゲット企業の選定、マーケティングアプローチ、営業活動の管理、効果測定といったABMに必要な一連の機能をワンストップで提供するツールです。通常であれば、企業データベース、MA、SFA/CRMなど、複数のツールを組み合わせて行うプロセスを、一つの環境で完結させられる点が最大の特徴です。
これにより、ツール間のデータ連携の手間やコストが削減できるだけでなく、部門を超えて顧客情報が一元管理されるため、マーケティングと営業のスムーズな連携を実現します。データの分断を防ぎ、一貫性のある顧客アプローチが可能になるため、ABMの成果を最大化したい企業にとって強力な選択肢となります。
このツールは、これから本格的にABMを始めたいが、どのツールから導入すべきか分からない企業に最適です。必要な機能がオールインワンで揃っているため、ツール選定に悩む時間を削減し、スピーディーに施策をスタートできます。
また、すでに複数のツールを導入しているものの、データが分散してしまい、部門間の連携に課題を感じている企業にも向いています。顧客情報を一つのプラットフォームに集約することで、マーケティング部門が獲得したリードの情報を、営業部門がタイムリーに活用するといった、組織横断でのデータドリブンな活動を促進します。
統合プラットフォーム型ABMツールは、それぞれに搭載機能や得意領域が異なります。ここでは代表的な3つのツールをご紹介します。自社がどのフェーズの活動を強化したいのかを考えながら、比較検討の参考にしてください。
アメリカの企業Demandbase社が提供する広告ツール型ABMツールです。アカウントごとに広告の表示内容を変えられるため、よりパーソナライズされた広告施策を実現できます。広告以外のABMに役立つ多彩な機能にも注目です。
無料プランの設定により、低コストで導入できる手軽さが特長のHubSpot Marketing Hub。メールマーケティングやフォームなど多彩な機能に加えて、無料のCRM機能も利用可能。スモールスタートで導入したい企業に適しています。
HubSpot Sales Hubは、国内外の企業で幅広く導入されている営業支援型ABMツールです。リーズナブルな料金体系で、企業の成長に合わせて機能を拡張できるのが特徴。スモールスタートにも適したツールとなっています。
XD.GROWTHは、BtoBマーケティングに必要な機能を一つに集約したプラットフォームです。Webサイト制作(CMS)、見込み客の獲得・育成(MA)、データ分析機能などを一気通貫で提供。専門知識がなくても施策を実行しやすい設計になっており、コンテンツ制作や運用代行といった支援も充実しているため、リソースが限られる企業でも成果を出しやすいのが特徴です。
Mazricaは、SFA/CRM(営業支援)とMA(マーケティングオートメーション)を統合したプラットフォームです。営業とマーケティングのデータを一元管理することで、部門間の情報格差をなくし、連携を強化します。案件情報や顧客の行動履歴を共有し、顧客ステージに合わせた最適なアプローチを組織全体で実行できるため、収益の最大化に貢献します。
ferret Oneは、「誰でも使いこなせる」ことをコンセプトにしたBtoBマーケティングプラットフォームです。Webサイトの作成・更新からリード獲得、顧客管理、メール配信までをノーコードで実現。直感的な操作性が魅力で、マーケティング担当者が施策のPDCAを高速で回せるよう支援します。伴走型のサポート体制も手厚く、初めてツールを導入する企業でも安心です。
統合プラットフォーム型ABMツールは、多機能であるがゆえに、自社の目的や体制に合わないものを選ぶと思うように活用できない可能性があります。導入後に後悔しないためにも、選定時に確認すべき3つのポイントを解説します。
まず、自社のABM戦略において、どの領域を最も強化したいかを明確にすることが重要です。「統合型」といっても、製品によって強みは異なります。例えば、Webサイトからのリード獲得に課題があるならCMS機能が強いツール、営業との連携が課題ならSFA/CRM機能が充実したツールが適しています。必要な機能が過不足なく揃っているか、自社の課題と照らし合わせて見極めましょう。
多機能なツールを導入しても、使いこなせなければ意味がありません。専門知識がない担当者でも直感的に操作できるか、デモやトライアルで確認することをおすすめします。特に、Webページの更新やメール配信といった日常的な業務を、誰がどれくらいの頻度で行うのかを想定し、現場の担当者がスムーズに運用できるUI/UXかをチェックすることが大切です。
統合プラットフォームは会社のマーケティング基盤となるため、提供企業のサポート体制は非常に重要です。導入時の設定支援や、運用開始後のフォロー体制が手厚いかを確認しましょう。また、事業の成長に合わせて機能を追加したり、プランをアップグレードしたりできるかといった拡張性も見ておくと、長期的に安心して利用できるツールを選ぶことができます。
統合プラットフォーム型ABMツールは、点在しがちなABMの機能を一つに集約し、部門間の連携をスムーズにし、一貫した顧客アプローチを実現します。自社の課題や運用体制に合ったツールを選ぶことで、複数のツールを使い分ける手間から解放され、より本質的な戦略立案や施策実行に集中できるようになるでしょう。
ABMツールといっても、その活用方法は営業部門とマーケティング部門とで異なり、さらに自社の課題をどう解決したいのかによっても選ぶべきツールは変わります。
このメディアでは、インバウンド/アウトバウンド別の目的に応じて、商談化に直結しやすいABMツールを4つ厳選してご紹介。自社の現状にフィットするツール選びの参考として、ぜひご覧ください。
ABMツールと一口に言っても、その活用方法は営業部門とマーケティング部門とで異なります。
ここでは、インバウンド営業・アウトバウンド営業それぞれの特性に応じて、アプローチ可能なフェーズや手法に違いのあるツールをご紹介いたします。ツール選びの参考にしてください。