ABMで重要なのは「誰に売るか」。ここがズレれば、その後のコンテンツもツール投資もすべて無駄になりかねません。
感覚に頼らず、データとロジックで「勝てる企業」を選び抜くための具体的な手順を解説します。
ターゲットを「企業(組織)」として捉えるか、「個人(人物)」として捉えるかという点が最大の違いです。ICPは「会社」の属性(業種、規模、地域など)を定義するのに対し、ペルソナは「その中にいる人」の属性(役職、年齢、個人の悩みなど)を定義します。ABMではまずICPで「狙うべき池」を決め、その後にペルソナで「釣るべき魚」をイメージする順番が重要です。
ICPを定義する際は、単に売上規模だけでなく、複数の視点を組み合わせます。
これらを掛け合わせ、「自社サービスが最も刺さる条件」を具体化します。
ICPの定義ができたら、具体的な企業リストの作成です。「社内データ」と「社外データ」の掛け合わせが鍵となります。
まずCRM(顧客管理システム)にある過去の受注データを分析し、LTV(顧客生涯価値)が高い企業や、受注までのリードタイムが短い企業の共通項を見つけます。次に、その共通項(ICP条件)に合致する未取引企業を、企業データベースなどを活用して抽出します。これにより「勝てるパターン」に基づいたリストが完成します。
リストアップしたすべての企業に、同じ熱量でアプローチするのは非効率です。ここで必要になるのが「ティアリング(ランク分け)」です。
ティアリングとは、収益ポテンシャルや戦略的重要度に応じて、ターゲット企業をTier1(最重要)、Tier2(重要)、Tier3(一般)の3段階程度に分類することです。「選択と集中」を行い、限られた予算と人員を、最も成果が見込める企業群へ集中的に投下するために欠かせない工程です。
ランクによってアプローチ手法(リソース配分)を変えます。
知名度だけで大手企業を選ぶのは失敗の典型です。重要なのは、相手が今サービスを必要としているか見極めることです。決算資料から課題を読み解く適合性や、料金ページの閲覧といった行動データを重視し、成約確度が高い企業を優先的にリストアップしてください。
ターゲット選定は一度で完結しません。市場や商材の変化に応じ、四半期ごとのリスト更新が不可欠です。アプローチの結果、受注率が悪ければ条件を再設定し、良ければ類似企業を追加してください。この改善サイクルを回す運用が、ABMの成果を最大化させる鍵となります。
ABMツールと一口に言っても、その活用方法は営業部門とマーケティング部門とで異なります。
ここでは、インバウンド営業・アウトバウンド営業それぞれの特性に応じて、アプローチ可能なフェーズや手法に違いのあるツールをご紹介いたします。ツール選びの参考にしてください。