「リードはあるのに商談化しない」「マーケティングと営業の足並みが揃わない」。BtoB営業の現場でこうした悩みを抱える担当者は少なくありません。原因のひとつとして挙げられるのが、カスタマージャーニーの設計ミスです。
売上目標から逆算した「理想の顧客像」でマップを描いてしまうケースは珍しくありません。BtoBでは組織としての意思決定プロセスと、担当者・決裁者それぞれの関心事を両軸で捉える必要があります。リサーチを省いた自社都合のペルソナは施策の方向性を歪め、商談化率の低下を招きかねません。
マップがマーケティング部門内で完結し、営業との共通言語になっていないパターンも多く見られます。「マーケはリードの質が低いと感じ、営業はリードを追わない」という対立構造が生まれると、マップ自体が形骸化する原因になりかねません。
マップを完成させた満足感だけで終わり、翌日から通常業務に戻ってしまう失敗も見受けられます。Map(行動の可視化)→Strategy(課題と打ち手の整理)→Action(具体施策化)という翻訳プロセスを挟まなければ、マップはただの資料で終わってしまいます。
失敗パターンを踏まえ、営業現場からすぐに実践できる3つの改善策を紹介します。
大規模な顧客調査がなくても、受注顧客1名へのヒアリングや営業日報、失注理由の分析から事実ベースのペルソナを構築できます。想像の100人より実在の1人の声を出発点にすることで、マップの精度は格段に高まります。
MQL(Marketing Qualified Lead)を「行動基準」×「属性基準」の2軸で定義しましょう。「料金ページを2回以上閲覧」「従業員50名以上の企業」といった条件を設け、四半期ごとに見直します。両部門が同じ指標でリードを評価できる仕組みが、連携強化の土台になります。
BtoBの購買では「社内で説明できる状態」が次フェーズへの完了条件です。各段階で「顧客が判断するための問い」「その答え」「次に進める納得条件」の3点セットを整理すれば、営業が提供すべき情報やタイミングも自ずと見えてきます。
ここまでの改善策をさらに効率化する手段として、ABM(アカウントベースドマーケティング)ツールが注目を集めています。ABMツールは特定のターゲットアカウントを選定し、企業単位で戦略的にアプローチするためのマーケティング支援ツールです。営業が抱える悩み別に、活用できる場面を見ていきましょう。
カスタマージャーニーの失敗を繰り返さないためにも、データに基づいて顧客理解を深めるツールの導入は検討に値するでしょう。
カスタマージャーニーの失敗は営業成果に直結する課題です。自社都合のペルソナ設計、マーケと営業の連携不足、マップの形骸化という3つのパターンを避け、事実に基づいた設計を心がけましょう。まずは顧客1名へのヒアリングやMQL定義の見直しから始めてみてはいかがでしょうか。ABMツールも活用すれば、ジャーニー設計の精度と営業効率をさらに高めることが期待できます。
ABMツールと一口に言っても、その活用方法は営業部門とマーケティング部門とで異なります。
ここでは、インバウンド営業・アウトバウンド営業それぞれの特性に応じて、アプローチ可能なフェーズや手法に違いのあるツールをご紹介いたします。ツール選びの参考にしてください。