新規部署の立ち上げなどで、社内に自分しかマーケティング担当者がいない「ひとりマーケター」となった場合どのようにマーケティングを進めればよいのでしょうか。よくある悩みと対策を見ていきましょう。
企画、広告、SNS、制作など全工程を一人で担うため常に多忙であり、戦略検討よりも日々の作業に追われやすい物理的限界が存在します。また、社内に知見を持つ同僚や手本となる先輩がおらず相談できない精神的な孤独感も大きな壁です。さらに、SEO、Web広告、データ分析など全方位の専門知識を一人で網羅することは、日進月歩のトレンドを追う上で構造的な限界があります。
BtoBマーケティングにおいて施策が売上に直結するまで時間がかかる特性上、短期的な定量評価が難しく、他部署から「何をしているか分からない」と思われがちな組織の壁があります。上席がマーケティングの知識を持っていないことも多く、成果が見えにくいことで貢献度が正当に評価されにくい不満や、予算・リソース確保の難航につながりやすいのが現実です。
すべてを一人で抱え込んで疲弊する負のスパイラルから抜け出すため、ひとりマーケターは「引き算の発想」を持ち、少ない工数で着実に成果を上げる必要があります。社内理解、施策の見極め、外注・ツールの活用という「全部自分でやる」から脱却するための3つのアプローチを解説します。
マーケティングが売上に貢献していることを証明するため、効果を可視化するKPIの設定が必要です。指名検索数の増加やホワイトペーパー経由のリード獲得など、短期間での成果を意図的に設計して数値で語ることで、営業部門や経営層の信頼を勝ち取り、リソース確保の第一歩に繋げます。
「全部やる」ではなく「目的に合ったことをやる」軸で施策の優先順位を見直すことが重要です。目的やKPIが不明確な施策や、単に頼まれただけの仕事は思い切って中止・延期する判断を下すべきです。時間軸や費用対効果、工数バランスで絞り込み、少ないリソースでも成果につながる施策に集中します。
すべて自分でやるのをやめ、判断・戦略・営業フォローに集中するため、ツールや外注(広告運用代行など)を戦略的に配分することが有効です。未経験者やひとりマーケターほど、学習コストを抑えるために自動レポート化やメール配信システムといったシンプルなツールを選定し、本来注力すべき業務に集中するリソース配分を行います。
リソースが極めて限定的なひとりマーケターにとって、広く浅く網を張る従来型のデマンドジェネレーションは過酷です。リード数は伸びているのに売上が伸びない疲弊から脱却するため、ABMツールがどのように活用できるのか見ていきましょう。
大量のホワイトペーパー作成やウェビナー開催といった母数確保の戦いはひとりでは不可能です。ファネルを逆さにして最初に「落としたい企業」を決める選択と集中が求められます。無駄な戦いをやめ、事業インパクトの大きい企業に狙いを定めることがスモールチームの勝算となります。
自社サイト来訪前のWeb上での検索行動や技術記事の閲覧履歴などの集合体が「インテントデータ」です。これにより、自社サイトに問い合わせが来る前の購買プロセスの初期段階の予兆を掴み、今まさに課題を抱えて動いている企業を特定でき、タイミングの示唆を得られます。
FORCASなどのABMツールを活用し、「who」「what」「how」のフレームワークで単独でも定量的にPDCAを回すことが可能です。単にリストを丸投げするのではなく、営業部門と理想の顧客像(ICP)をすり合わせ、共通のターゲット意識を持って連携を深める仕組み作りが真の成功要因となります。
ひとりマーケターのリソース不足という制約があるからこそ、「すべてをやらない」決断と、勝てる確率の高い場所に全力を注ぐABMが可能になります。まずは営業担当者との対話や既存顧客の分析といったスモールスタートから始め、人に任せることやツールの活用を戦略の一部と捉え、事業成長に貢献する道筋を描きましょう。
ABMツールと一口に言っても、その活用方法は営業部門とマーケティング部門とで異なります。
ここでは、インバウンド営業・アウトバウンド営業それぞれの特性に応じて、アプローチ可能なフェーズや手法に違いのあるツールをご紹介いたします。ツール選びの参考にしてください。